【歯科医師監修】歯磨きの時間はどれくらいが適切なの?最適な回数や時間帯も教えます。

歯磨き 歯ブラシ 予防歯科

最終更新日 2022年5月1日

あなたは何分くらいかけて歯を磨きますか?

1分以内で終わる人や10分以上かける人、歯磨きの時間には個人差があり、歯磨きをするタイミングによっても変わってきます。

では、どのくらいの時間をかけて歯磨きをするのが正解なのでしょうか?

今回は、歯磨きにかける時間はどのくらいが適切なのかお話しします。

歯磨きに必要な時間は最低3分

歯磨き 歯ブラシ

歯磨きに必要な時間は最低3分です。

口の中には全部で28本、親知らずがあれば32本の歯があり、歯の汚れを隅々まで落とすには、1本の歯を1箇所につき10〜20回くらい歯ブラシで優しく擦る必要があります。

これを踏まえて歯の表と裏、噛む面をすべて磨くと、歯ブラシで歯を磨くだけで最低3分くらいの時間がどうしても必要になります。

また、歯と歯の間の汚れを歯ブラシだけで落とすのは難しく、歯ブラシだけで落とせる歯の汚れは60%程度です。より100%に近い歯磨きを目指すなら、3分間の歯磨きの前にフロスや歯間ブラシを使ったケアが必要です。

「時間」よりも大切な歯磨きのポイントは汚れを落とすこと

歯磨き 歯ブラシ

歯磨きの時間は最低3分必要であるとはいっても、あくまで「歯をきちんと磨こうとするとこのくらい時間がかかる」という目安にすぎません。

実は、歯磨きにどのくらい時間をかけるかよりも、以下の3つが大切です。時間だけに囚われず、これらのポイントも意識しましょう。

  • 歯磨きの時間よりも汚れが落ちているかが大切
  • 長時間の歯磨きは逆に良くない
  • 口の状態によって歯磨きに必要な時間は変わる

歯磨きの時間よりも汚れが落ちているかが大切

歯磨きの時間を意識するよりも、歯ブラシで汚れを落とすためのテクニックを重視して、歯の汚れがきちんと落とせているかを考えることが大切です。

歯磨きをするときに鏡を見なかったり、磨く順番を決めていなかったりして、うっかり磨き残しができているというのはよくあることです。

歯ブラシできちんと汚れが落とせているか知りたい場合は、歯科医院でクリーニングを受けるときに確認してもらうと良いでしょう。

特に歯磨きの時間が長くて面倒臭いと感じる方は、歯磨きのテクニックを磨いて効率良く歯の汚れを落とせるようになると、短い時間で歯磨きが終わるようになります。

また、自宅で磨けていない部分を知るためには染め出し液の利用もお勧めです。

磨けていない部分を染め出してくれるので、時間があるときには使ってみることで汚れが落とせていないところのセルフチェックができます。

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長時間の歯磨きは逆に良くない

歯の表面は硬く、歯ブラシで簡単に削れるものではありませんが、

時間をかけて何度も歯ブラシで強く擦ることで歯が削れてしまったり、歯茎にダメージを与えたりすることがあります。

長時間の歯磨きは以下のような弊害を引き起こすことがあるので、気をつけましょう。

  • 楔状欠損:歯の根元が楔状に削れて、えぐれてきます。
  • 知覚過敏:歯が削れることで刺激が伝わりやすくなったり、歯肉退縮で歯の根元が露出したりすることで、痛みが生じます。
  • 歯肉退縮:歯茎が下がって歯の根元が露出します。
  • フェストゥーン:歯茎の縁が丸みを帯びて、分厚くなります。
  • 擦過傷:歯茎が削れて炎症を起こします。

歯磨きのしすぎで起こる歯の摩耗
歯磨きの適切な時間
楔状欠損

口の状態によって歯磨きに必要な時間は変わる

歯磨きに必要な時間は口の状態によっても変わります。

例えば凹凸の多い歯並びの方は、歯ブラシだけで汚れを落とすのが難しいため、歯ブラシのあとに毛先の小さいワンタフトブラシやフロスを使用する必要があり、その分の時間が必要になります。

また、ワイヤー矯正を行なっている場合は、歯をワイヤーの上下と真上の3箇所に分けて磨く必要があるため、磨く面の数が多くなることから歯磨きの時間はもっと長くなります。

歯磨きをするのに最適な時間帯

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歯磨きをするのに最適な時間帯は朝と夜の最低1日2回、食後すぐがおすすめです。

朝と夜、最低1日2回

歯磨きは朝と夜の最低1日2回は行いましょう。

夜は就寝中に身体がリラックスモードになるため、唾液の分泌量が少なくなり、朝起きるまでの間に虫歯菌や歯周病菌などの細菌が口の中でたくさん増えます。

虫歯菌や歯周病菌が増えるということは、虫歯や歯周病のリスクが高くなることに直結します。

夜の歯磨きで就寝中に増える細菌の量を最小限にして、朝の歯磨きで就寝中に増えた細菌を除去することで、虫歯菌や歯周病菌が増えにくいサイクルを作れます。

できれば昼食後も歯磨きをするのがおすすめ

可能であれば朝と夜の歯磨きに加えて、昼食後にも歯磨きを行うのがおすすめです。

口の中には常に虫歯菌や歯周病菌などのさまざまな細菌がいて、これらが細菌の塊(バイオフィルム)を作って活動しています。バイオフィルムは食後8時間くらいで作られて、時間の経過とともに歯に定着して落としにくくなります。

昼食後にも歯磨きを行うことで、新たなバイオフィルムができる前に口の中をリセットして、虫歯や歯周病のリスクを下げることができます。

食後すぐに磨く

歯磨きは、食後できるだけすぐに行うのがおすすめです。

「食後すぐに歯磨きをするのは良くない」という説もありますが、これは身体の仕組みとして、食事をすると口の中が酸性に傾き、歯の表面が分子レベルでわずかに溶ける「脱灰」と、脱灰で口の中に溶け出した歯の成分が元に戻る「再石灰化」が起こることに起因します。

再石灰化が終わる前に歯磨きをすると、食後の脱灰で溶け出した歯の成分がなくなってしまうため、歯磨きが再石灰化の邪魔になるという認識です。

しかし、脱灰はそもそも歯についた食べかすや歯垢によって起こるため、再石灰化が終わるまで食べかすや歯垢を残したままにすることは、脱灰を促すことに繋がります。

そのため、食後すぐに歯磨きをして脱灰の原因を排除し、脱灰そのものの時間が最小限で済むようにすることのほうが大切です。

クエン酸やオレンジジュースなど酸性の強いものを口の中に満たした直後に磨くと確かに歯を傷つける可能性がありますが、一度うがいして磨けば全く問題ありません。

テレビ番組の影響で食後30分は歯を磨いてはいけない、と発信しているyoutuberやサイトもありますが、我々歯科医師の見解とは異なります。

日本小児歯科学会が一般向けに発信している以下の記事も参考にしてみて下さい。

関連:食後の歯磨きについて

歯磨きの時間はあくまで目安と考えよう

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歯磨きに必要な時間は最低3分、最低1日2回、朝と夜に磨くのがベストです。

しかし、1回の歯磨きに3分の時間を使っても、歯ブラシで歯の汚れが落とせていなければ意味がありません。

「歯磨きに必要な時間は最低3分間」というのはあくまで目安です。歯磨きの時間よりも「歯ブラシを3分間でどのように使って歯の汚れを落とすのか」を心がけるようにしましょう。

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長崎大学歯学部卒業、〜2018 九州医療センター、2018〜現在 都内歯科クリニック勤務

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臨床研修終後、都内審美歯科勤務。現在は歯科医師/歯科ライター

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